大量生産から多品種小ロットの時代へ―「情報発信」もマスからパーソナルへ―Ⅰ
先日行なわれた或る大きな会議において、政府税調の重鎮を務める政治家が発言した内容です。
この会議には私も出席していました。
その政治家は次のようなことを言っておられたのです。
「日本は大量受注大量生産の時代から、多品種少量生産の時代に移りつつあります。
その際の主役は、長い間日本経済を支えてきた中小企業です。
この中小企業が加速度的にその数を減らしつつある今、政府は全力でその存続をバックアップする所存です・・・・」
といった趣旨のことをスピーチしておられました。
日本は、品質が均一でかつ良質な工業製品を、ロスを少なくし大量生産することが得意なトップランナーとして、世界の製造業を牽引してきました。
「ジャパンアズナンバーワン」といわれていた時代のことです。
しかし、今や世の中の事情は激変しました。
均一な製品が大量に売れるという時代ではなくなってしまったのです。
人々の嗜好は分散化し、欲しいものは人それぞれ異なります。また、
そういった細かな欲求がかなり満たされる時代になったので、人々の求めるものは益々細分化していきます。
こういった傾向自体は、もうかなり以前から言われていました。
ただ、
「その細分化された欲求に対応する主役は中小企業である。」
と、言い切れるところまでには至りませんでした。
そういった傾向が顕著になってからも、中小企業の体質や意識そのものが、まだ狭い商圏や下請けのポジションから簡単には抜け出そうとしていなかったからです。
基本的に中小企業のこの状況は、以前とそれほど変わっていません。
例えば眼鏡も、その日のファッションやシチュエーションに応じて変える?
つづく