栞がきっかけで改めて気づかされた私の物忘れ―栞(しおり)或いは栞紐(しおりひも)について考えた―Ⅲ(おしまい)

「最近のビジネス書には栞も栞紐(スピンというらしい)もついていないなあ・・・」

と嘆く私。

 

さて、なんでこの栞について長々と書いてきたかといえば、実は理由(わけ)がある。

先日東京へ向かう飛行機の中で、読みかけの本を「スピン」が挟んであったところで開けて読み始めたときのことである。

「ん?ここはもうすでに読んだことがあるぞ!」

と、気がついた。

 

それで、間違ったところにスピンを挟んだのかと思い、その本を後ろへと急ぎ流し読みで進めていった。

ところがどこまで行っても、読んだ覚えのある個所ばかりである。

 

「おかしいなあ?! あとちょっとで読み終わるとこだと思っていたけどなあ・・」

と、さらにめくっていって、ふと思い出した。

「あ、そうか!この本は先日読み終わっていたんだ。」

 

読み終わったので、適当なところへスピンを挟んでいたのである。

そのことをすっかり忘れていた。

 

このケースでは、スピンが絶妙の位置に挟まっていたのだ。

「ええと、こいつは、まだ読み終わっていない。どの辺まで読んだっけ? ああここだったか・・」

と、ちょうど錯覚させるような半分よりやや後ろの位置だったのである。

 

とまあ、そんなことは言い訳に過ぎない。

要は、読み終わった本のことをすっかり忘れてしまっていた私が「おいおい、大丈夫か?」ということである。

 

ま、おかげで飛行機の中では、その本の面白かった箇所を再び読み返すことができたが・・・・

栞がきっかけで、「やばいなあ・・・・」と改めて気づかされた私の物忘れ。

 

と同時に、栞についてちょっと振り返ることができた。

記憶力の維持と探求心の狭間で、これからも私の脳みそはジタバタし続けることだろう。

 

         この本にはついていましたな。スピン!

 

おしまい