スタバ、早朝の二人―知的で甘い関係?―Ⅳ
早朝のスタバ。
本を読んだり、時折会話を交わしたり、静かな時を共有している二人。
二人は、ときどき、本から顔を上げて時事問題や文化論など、なにやら難しい話題について意見を交わしている。
その会話の知的レベルがかなり高いので、マスコミとか出版関係の業界の人かな、と私には思われた。
二人とも普段着みたいな私服ということから察すると、夫婦二人で朝の散歩がてら、家から出かけてきたのだろう、と思っていた。
ところが、小一時間ほど経つと、必ず男性の方が「俺、そろそろ行くわ。」と席を立つのである。
奥さんを残して仕事に行くという感じではない。
私は
「ありっ!?!別々なんだ。」
と、少し驚いたのである。
女性の方は「ああ、じゃあ・・」と、それまで、静かにあっさりとした時間を過ごしていた割には、少し名残り惜しそうに男性を見送る。
「じゃあ、また。(来週)」(カッコ()の中は筆者の独断的推察です)と、席を立つ男性の方も、少し彼女に心を残しているような風情なのだ。
この二人が普通とちょっと違うのは、この後の行動パターンなのだ。
男性がスタバを出て交差点周りの広い歩道を横切り、道の向こう側に渡ってその姿が見えなくなるまで、女性が中腰で席を立つようにして手を振りながら見送るのである。
男性の方も、こちらをちらちらと振り返っては何回も手を振って歩いていく。
ここのスタバは外壁が大きなガラス張りなので、歩いて行く男性の姿は、中からずっと見えているのだ。
やがて、男性の姿が見えなくなったところで彼女はようやく腰を下ろすのである。
この間、約2,3分。
この別れの風景が、スタバに座ってお互い静かに本を読み、知的会話を交わしていた二人の雰囲気とはあまりにもギャップがあって、私にはなんだか不思議な男女の世界に映った。
おおーーっ!
この二人について書いていたら、思っていたよりも結構長くなったので、この続きはまたあした書きます。
こんな風に外がよく見えます。
つづく