スタバ、早朝の二人―知的で甘い関係?―Ⅴ(おしまい)
早朝、結構いい年をした男女のスタバでの別れ。
先に席を立った男の姿が見えなくなるまで、お互いが手を振り続けるという、ちょっと不思議な風景。
それを見た私は考える。
「こいつら、絶対夫婦ではないな。ワトソン君。」
私の中のシャーロックホームズが推察する。
ワトソン君はいないので、ここら先は私の勝手な独り言の時間にいたします。
「早朝、スタバでだけ逢瀬を重ねる、というのは、なにか特別な関係の二人に違いない!
一定の時間になると、男の方がそそくさと帰っていくところを見ると、この時間があまり長くなっても、きっと何かまずい事態になるのだろう。」
マイシャーロックホームズは続ける。
「察するに、以前この二人の関係はたぶん男の側の家人(まあ奥さんですけど・・)に、何かしらの形でバレることとなり、おそらくすったもんだあったのではないか。
その結果、二人がたどり着いた逢瀬の時間は、男が「ウォーキング」と称して出かける早朝の小一時間に限られることとなったのである。
つまり、早朝の、ガラスの靴ならぬウォーキングシューズをはいた男のシンデレラなのだよ、ワトソン君。」
ワトソン君は余計だが、まあ、私の推理は当たってんじゃないかなあ・・・
ということで、冒頭にも書いたように、特にオチはなくそういう話なのである。
ある日、早朝のスタバに男性の奥さんが殴り込みをかけてきて、スタバ始まって以来の修羅場が展開された、なんて話になったら、すんごく盛り上がるのだろうが、まあ、そうはいかない。
「読みたいことを俺は書く!」
と、ワンピースのルフィみたいな宣言をした割には大したことなかったかも知れませんが、今後もこの路線で行きますのでよろしくお願いいたします。
早朝の六本木ヒルズは朝日に輝いて・・・・
おしまい