デパート外商部Ⅲ(おしまい)

その話は、その場に一緒にいた私の家内からあとで聞いたのである。

その同じ外商部は、私や家内にも常連の顧客になって欲しいと思ったのだろう。

何回か営業のアプローチをかけられた。

 

母たち世代はともかく、私たち世代にはそんな経済的余力はとてもない。

ある日、ブランド品の子供服を売り込もうとやってきた外商さんを、家内が玄関先でピシャリと断ったら2度と来ることはなかった

これもその日、仕事から帰って家内から聞いた話である。

 

こうやって考えてみると、外商さんが男性を相手にすることはほとんどないのだろうと察せられる。

つまり外商というのは、いかに奥様方に気に入られるか良好なコミュニケーションを取れるかにかかっているようにも見える。

 

そこの部分では、我々会計事務所の仕事とも共通点があるようにも思える。

中小零細企業の場合、経理担当者は奥さんであることが多いからである。

少し異なっているのは、会計事務所の場合ビジネスが絡むことがほとんどなので、最終的に奥さんだけの決済では済まない案件が多い、ということだろうか。

 

「デパートの外商部の裏話は面白いだろうな。」

とは、昔から思っていたことだ。

それが私の知る限り、始めてドラマになった。

今回は1話完結だったが、続編を見てみたい。

 

 

おしまい