デパート外商部Ⅱ

デパートの外商部といえば身近なところでは、私の母がよく利用していた。

私の田舎では、デパートらしいデパートで買い物をしたければ、鹿児島市内まで出かけなければならない。

今でこそ高速が少しずつ繋がって、1時間半くらいで行けるようになったが、以前は2時間近くかかっていた。

 

この距離をしょっちゅう行き来するのは、地方の御婦人方にとってちょっと辛いものがある。

今回のテレビドラマとは少し違った意味で、デパートの外商部は必要不可欠なものだったようだ。

 

地方においても、外商の利用者はお医者さんの奥様とか経営者の奥様、社長夫人辺りが多いようだ。

そのせいか、割と頻繁に見かける外商の担当者は、私の母にもいつもひどく気を遣っているように見えた。

 

私の長女が小学生の頃、たまたま母の家に遊びに行っていて、この外商さんの男性に出くわした。

その頃から少しませていた長女は、母がちょっと席を外したとき彼に

「ああいう人たちがお相手だと、すごく気を遣って大変ですね。」

と声をかけたらしい。

 

子供にいきなりそんな風に話しかけられた彼は、一瞬驚いたようだが

「いえ、そんなことはありません。いつもたいへん可愛がっていただいております。」

みたいな返事をしたようだ。

 

つづく