設備投資の優遇措置を活用していますか? Vol.1
事業のために一定の機械・装置、器具・備品等(減価償却資産)を購入した場合に、通常の減価償却のほかに、別枠で特別償却や税額控除などが認められる中小企業投資促進税制や中小企業等基盤強化税制があります。
【 制度の適用を忘れていませんか? 】
税法では、経営に前向きに取り組む中小企業を支援する様々な税制上の特例が設けられています。そのなかでも、設備投資を支援する代表的な制度に、中小企業投資促進税制中小企業等基盤強化税制があります。この2つの制度は、一定の設備投資を行った場合に、通常の減価償却と合わせて特別償却や税額控除等を行うことができるというもので、節税効果や投下した資本を早期回収できるなどのメリットがあります。具体的には、設備投資に対して30%の特別償却や7%の税額控除のいずれかを選択できるというものです。ところが、「面倒では?」「よくわからない」「知らなかった」などの理由で、制度の適用を受けていない例もあるようです。これから機械や備品などを購入しようと考えているのであれば、この2つの税制が適用できるかどうかを確認してみてはどうでしょう。
【 業務に必要な機械・装置やソフトウェアなどが対象になる 】
2つの制度の対象となる資産は、その事業年度中に取得し、かつそれが事業に使用されていなければなりません。また、新品の資産が対象であり、中古の資産は認められません。対象となる資産の詳細は、財務省令で定められていますが、一読しただけでは該当するのかどうかがよくわからないものもあります。適用を考える場合には、まずは資産の詳細がわかる契約書や見積書、請求書、カタログなどの書類をきちんと保存しておきましょう。
● 機械・装置の例・・・ 自社が業務で使用するものが対象になります。例えば、機械メーカーが販売用に製造した機械や、レンタル会社が貸付用に保有している資産などには、適用できません。
● ソフトウェアの例・・・ 業務用に使用するワープロ、表計算、経理、給与のソフトや、イラスト、画像、CADのソフトなどが対象になります。
● 器具・備品の例・・・ コピー機能やファックス機能、プリンタ機能、スキャナ機能といった複合的な機能を有する一定の条件を満たしたデジタル複合機などが対象です。
● 普通貨物自動車の例・・・ 実際にその自動車を貨物の運送に使用している。普通自動車である(車検証の種別が「普通」)。車両総重量が3.5t以上である。
次週は、特別償却と税額控除の違い等をお送りします。