最も即時性の高い「情報発信」、それは、「質問」―「情報発信」の「即時性」について考える―Ⅱ
「即時性」すなわちレスポンスの最も早いもの・・・
それはいったい何でしょうか。
私は、最も「即時性」の高い「情報発信」、それは、「質問」だと思うのです。
「質問」・・・?
この答えにはいささか違和感を持つ方がいるかも知れません。
「「情報発信」というのはこちら側から何かを提供するものでしょう?
「質問」というのは、相手の発言があって初めて成立するものだから、なんか違うんじゃないの?・・」
という声が聞こえてきそうです。
なるほどその通りです。
「質問」は、そもそもが主体的な情報発信ではありません。
ボールを受けてから初めて発生するものなので、「情報発信」という言葉にはなんだか馴染まないんじゃないか、と思われるのはよくわかります。
ただ、ここでもう少し深く考えてもらいたいのです。
「質問」が、単に用語の意味がわからない、とか、よくわからなかったのでもう一回言ってもらえませんか、とかいう程度のものであれば、確かにそうかも知れません。
しかし、相手の発言をよく聞いた上で、
「自分の考えと違うところがあるのでよく理解できないのだが・・・」
とか、
「その発言の裏にあるものをもう少し聞きたい、何故ならば・・・」
といった質問であれば、それはまた意味が違ったものになります。
つまりそれは、相手の情報を受け止めた上で、こちら側の見解なり異なる情報をかぶせて、より議論を深めようというものだからです。
ここでは、こちら側から発信される情報が一定レベル以上のものでなければ、それを受けた相手からの質問が情報といえるレベルを持ち得ません。
こういったやり取りは、まさに「情報の高度な交換」といえるのではないでしょうか。
つづく