経営者にとって「伝導力」は大切な資質―社長の「自己プレゼン」は営業以上の効果―Ⅰ
以前、私はこのコラムで、「社長の装い」の効果について書きました。
「見た目」の影響力は、場合によっては「言葉」に匹敵するくらいインパクトがあると思ったからにほかなりません。
今回は社長の発する「伝導力」即ち「伝わる力」について、さらに考察し深化させてみたいと思います。
「伝える力」ではなく「伝わる力」としたのは、こちらから一方的に「伝える」のではでなく、全体的に醸し出す「伝わる力」が大切だと思ったからです。
「伝導力」という言葉はあまり一般的には使われません。
ただ、私が言いたいのは、社長の「情報発信」の及ぼす力を、単なる「影響力」という範囲に留まらせたくない、ということなのです。
社長の「情報発信」は、それに触れた相手に、ちょっとした影響を与える・・といったレベルではなく、結果としてもっと強いインパクトを与えなければ意味がないからです。
少し時間がかかったとしても深く「伝導」していくことが求められているのです。
こう考えてくると、一般的にもよく使われている「アピール」という言葉に思いが至ります。
中でも「自己アピール」という言い方は、比較的頻繁に使われています。
「自己アピール」について、意味を調べると、
―(自分のことを)相手に訴えること、相手の心に強く食い入ること―
と、あります。
なるほど、この意味からすれば「自己アピール」は、私の言っている「情報発信」とイコールのようでもあります。
しかし、私にはこれでは何か足りないような気がするのです。
つづく