12月は個人事業者の決算月です
個人事業者にとって、12月は決算月になります。そのため、毎月の事務のほかに、決算準備のための事務があります。
【1】実地たな卸を行う
12月の業務終了日における商品、製品、仕掛品、原材料などの在庫数量を
種類、品質、型ごとに数えて確認し、たな卸表を作成します。
自社の倉庫だけでなく、取引先に預けている在庫、輸送中の在庫、委託販売を行っている商品などの在庫も必要です。
年末が繁忙期にあたるなど、業務の都合上、12月の業務終了日に、たな卸を実施することが難しい業種もあります。そのような場合は、業務終了日の直近日に実施し、その日から業務終了日までの売上と仕入の記録をもとに商品在庫を把握します。
たな卸を行う際、以下のチェック項目を確認してみましょう。
チェック(1)
■12月の業務終了時点の商品等の実地たな卸を行い、たな卸表などの原始記録を保
管しているか。
■取引先等へ預けている商品・原材料や輸送中の商品、委託販売商品などの在庫も
確認しているか。
■12月に売上返品された商品なども、たな卸資産に計上しているか。
■引取運賃や購入手数料など、付随費用も取得価格に含まれているか。
【2】現金、預金等の残高を確認する
12月末時点での現金出納帳の残高と実際の現金残高が一致するかどうかを確認します。
銀行預金は、12月末日時点の残高証明書を銀行から入手します。
切手等の金券類の残高も確認します。
チェック(2)
■銀行預金の残高証明書を入手したか。
■切手、収入印紙などの残高を確認しているか。
【3】売掛債権や仕入債権を確認する
売掛金、受取手形、、買掛金、支払手形などの残高を確認します。
特に、請求書の締め日から、12月末日までの売上や仕入についての売掛金、買掛金の計上漏れに注意します。
チェック(3)
■売掛金、受取手形、買掛金、支払手形の残高を確認しているか。
■請求書の締め日から12月末日までの売上・仕入についての売掛金、買掛金等の計上漏れはないか。
■仕入先から顧客への直送品について、売上、売掛金の計上漏れはないか。
■返品や値引きなどの計上漏れはないか。
【4】借入金と債務等の確認
12月末日時点での借入金や割引手形の残高を確認します。銀行からの借入金は、12月末日時点の残高証明書を銀行から入手します。
経費の支払いも請求書より締め日以降の金額を確認します。
チェック(4)
■銀行からの12月末日時点の残高証明書を入手しているか。