売上アップへの取り組みをチェックしよう その(2)
年末にあたり、売上アップに向けた取り組みができたかどうかを自己点検し、来年の行動へのヒントとしましょう。
では、以下のチェック項目で今年を振り返ってみましょう。
Check(1) 今年の売上はどうか?
依然、中小企業には厳しい経営状況ですが、その一方で懸命に業績を伸ばしている企業や経営努力によって新たな顧客・市場に取り組む企業も、決して少なくありません。
自社のこの1年はどうだったでしょうか。全体として売上は良かったですか、悪かったですか。
- 売上目標に対してどうか。 (良かった・良くなかった)
- 昨年の売上と比べてどうか。 (良かった・良くなかった)
- 同業他社と比べてどうか。 (良かった・良くなかった)
- 社長の感覚としてはどうか (良かった・良くなかった)
- 売上全体の中で、主力の商品・サービスの売上はどうか。 (良かった・良くなかった)
- 売上全体の中で、新しい商品・サービスの売上はどうか。 (良かった・良くなかった)
Check(2) 自社の商品・サービスの現状は?
経済状態を見れば、デフレや円高、安い海外製品の流入、産業空洞化、顧客ニーズなど様々な環境変化があります。そういった中で自社の商品・サービスの現状について、客観的な分析はできていますか。
- 自社の主力商品・サービスが陳腐化している、ライフサイクルの衰退期に入っている。
(はい・いいえ) - 海外製品などのライバル製品との競争、原材料のコストアップなどで、利益率が悪化している。
(はい・いいえ) - 新しい技術等の登場によって、自社の技術、ノウハウなどの優位性や特徴が弱くなっている。
(はい・いいえ) - 固定客が減少し、新規顧客も増えていない。
(はい・いいえ) - 自社の商品・サービスへのリピーター、固定客づくりができていない。
(はい・いいえ) - コストダウン等が品質やサービスの低下を招き、クレーム等が増えている。
(はい・いいえ) - 納期、メンテナンス、接客対応など品質以外の面での対応が他社と比較して弱い。
(はい・いいえ) - 市場や顧客の変化に自社の商品・サービスが対応できていないと感じる。
(はい・いいえ) - 新しい商品・サービスが開発できていない。
(はい・いいえ) - これまでとは異なる顧客層や市場、海外進出など、新たな販路の開拓ができていない。
(はい・いいえ)
Check(3) 売上アップへの具体的な行動はできたか?
売上げの低迷や業績の悪化を、「景気が悪い」という理由で片づけてしまっていないでしょうか。
自社の商品・サービスに磨きをかけ、価値を高めたり、新たな顧客層へアピールするなど、今年1年、売上アップのための具体的な取り組みはできたでしょうか。
- 商品・サービスのリニューアルや機能強化をはかった。
(はい・いいえ) - 市場開拓やターゲットを絞るなどで、新たな顧客層にアピールした。
(はい・いいえ) - インターネットなど新たな販売方法に取り組んだ。
(はい・いいえ) - 短納期化、クレーム処理、メンテナンスなどの対応を強化し、顧客満足を高めることで、自社のファンを増やしている。
(はい・いいえ) - 自社の商品・サービスの特徴を顧客目線でわかりやすく伝えている。
(はい・いいえ) - 社長自身が顧客訪問し、顧客のニーズや不満などを肌で感じとっている。
(はい・いいえ) - 売れなくなった商品、顧客ニーズに合わなくなった商品をやめて、新たな商品・サービスに資金や人材を投入している。
(はい・いいえ)
中小企業の場合は、経営者の努力とともに全社員一丸となった取り組みが業績に良い結果をもたらすことが多いといわれます。頑張りましょう!
参考事例(1) ネット販売で、個人顧客を開拓
メッキ加工業A社は、自社独自の高度なメッキ加工技術を持っていますが、受注減に悩み、売上増のためにホームページを開設しました。
半年程は、ほとんど反応がありませんでしたが、そのうち個人から、車・バイクのマフラー、腕時計などにメッキをしてほしいという依頼が次々くるようになりました。メッキ加工の顧客は業者だけと考えていたのですが、実は、個人にもニーズがあったのです。
その後、個人向け注文に応えるための専用サイトを立ち上げ、現在、売上の70%を個人顧客が占めるほどになっています。
参考事例(2) 独自の納品体制で安価な中国製品を圧倒
機械部品メーカーB社は、国内部品業界が安価な中国製品に押される中、独自の納品体制で業績を伸ばしています。単価は安いが大量発注が必要なうえ、不良品の混入も多い中国製品に対し、B社は部品1つでも注文を受けたり、1、2か月分をまとめての大量納品ではなく、1週間単位で小分けして自動発送する納品体制と製品の高品質が強みになっています。
顧客企業は、部品の在庫管理や保管スペースが不要になるというメリットがあり、中国製品の3倍の価格にもかかわらず顧客から支持されています。