何故ネガティブな住民意識が生まれたのか解明し根本要因を取り除かなければこの問題は終わらない―地方におけるこの閉塞感はいったいどこからくるのか―Ⅷ(おしまい)
地方が衰退していくのは、当の地方住民の意識に原因がある、という構造的かつ根本的な問題を、地方自らの力で変えていくことができるのか?・・・
この課題に対して、木下氏は以下のように述べておられます。
―「新規創業支援」「移住定住促進」という政策において重要なのは、創業支援への予算拠出や移住定住者への補助金などだけではありません。
むしろ新たな挑戦に寛容であり、成功者を称えるという基本的なスタンスを地域の多くの人が共有できるか、にあります。
挑戦も成功も、つねに孤独から生まれやすいものです。
だからこそ地域において互いに支えながら挑戦し、成功を讃えながらさらなる成功を目指す構造をつくれるか否かが問われます。
妬みで新たな芽を潰した先に、「地域の未来」などはありません。
他人の挑戦を明るく支えられるかどうか。
これが、地域の未来を支えるのです。―
残念ながらこの解決策として示された結論において、木下氏はごく無難な当たり前のことを述べておられるに過ぎません。
上に書かれていることは元よりわかっていることです。
上記にあるような
「成功者を称えるという基本的なスタンスを地域の多くの人が共有できるか」
とか
「他人の挑戦を明るく支えられるかどうか」
という住民意識の変化に対する淡い期待は、放っておいても決して生まれるものではないのです。
相当なインパクトをもって意識改革に取り組まなければ変わるものではないでしょう。
ただそのためには、私は何故これまでのネガティブな方向性にばかり向かいたがる住民意識が生まれたのか、その要因を解明する必要があるだろうと思っています。
そこを解明し、その根本要因を取り除かなければ、この問題は終わらないだろうと思うからです。
ともあれ、地方が上向くためには、木下氏の言う
「成功を讃えながらさらなる成功を目指す構造をつくれるか否か」
が必須なことは、誰もが認めるところでしょうから、私もそこを目指して地域企業を支えていきたいと思っています。
おしまい