非連続のイノベーションの時代・・「今日の勝者」は「明日の敗者」―ロジカルシンキングも限界、クリエイティブな思考がものをいう時代―Ⅱ
スピード感が足りない、と言われる日本企業、この点に対してこのレポートでは次のように触れています。
― 要は、先が見通せない時代には、誰かがリスクを取ってやってみるしかない。
しかし日本企業では、無意味なコンプライアンス強化や成功体験への安住なども影響して、社内の基準やルールに合致しないことには挑戦しづらい風土が少なからずある。
その基準やルール自体が時代遅れになっているかもしれないのに、だ。―
時代遅れのルールや基準に縛られているのは何も企業ばかりではありません。
行政や業界そのもの含めて、日本中が時代遅れになっている感が拭えないのです。
このレポートの指摘はさらに続きます。
― 現在は、「非連続のイノベーションの時代」とも言われる。
これは端的に言えば、製品開発などの面において、過去の成功体験に安住していてはヒット商品は生まれないということである。
もっと過激に言うと、「今日の勝者」があっという間に「明日の敗者」になってしまいかねないということでもある。―
ここでも出てくる言葉は「成功体験」です。
「成功体験」はときによっては「停滞」を招きます。
「あれでよかったんだから・・・」という思いが、どうしても過去へのこだわりを引きずるからです。
日本企業にはどうしても「ジャパンアズナンバーワン」と言われ、世界を牽引した頃の栄光が忘れられないのかも知れません。
ただこれは大企業にだけ言えることではなく、日本の隅々まで多くの企業が体現していることなのです。
この「非連続のイノベーションの時代」ということを自覚するのは極めて難しい、と言わざるを得ないだろうと思います。
というのは、人間は本来「保守的な動物」だからです。
特に日本人のように、過去の積み重ねの上にキチンと現在を積み上げていくような生真面目な民族にとって「非連続のイノベーション」というのは「対応しづらい時代」が来ているのかも知れません。
つづく