「型」にこだわってきた日本企業の限界―ロジカルシンキングも限界、クリエイティブな思考がものをいう時代―Ⅲ

過去の成功体験が通用しない「非連続のイノベーションの時代」にはいったいどういった考え方、やり方が相応しいのでしょうか。

― こうした現状の中では、平均値的なマーケティングデータが通用せず、何が売れるか分からない。

売れる製品・サービスの誕生プロセスでは、共感、ストーリー性、ユニークさ、ハードとしての価値のみならず使用することで得られる社会的な意義など、複雑な要素が絡んでいる。こうした分野は事前調査で把握しづらい。

そもそも、これまでにないような新しいビジネスモデルや製品・サービスを創出する仕事に「標準(S)」はないのだから、PDCAサイクルを回しても意味がない。―

 

データ、マニュアル、標準形といったものが通用しない時代となれば、新しいモデルは自分たちで創り出すしかありません。

新しいモデルには、そもそも標準形というものが無いのだから、PDCAサイクルのような手法を回そうとしても意味がない、という説には説得力があります。

 

ということは、日本企業はビジネスの本質よりも、そのやり方の「型」にこだわっているといえるのかも知れません。

もともと「型」は「型」であり、仕事の本質ではないわけですから、本来そこから脱却するのになにも迷う必要はないわけです。

 

その脱却へのやり方として次のように述べています。

― まずは、やってみて(D)、確認と軌道修正(CとA)をしながら、大きな方向性が見えたところで、初めて計画(P)が立てられるのではないか。

何が正解か分からない時代に、あまり理屈をこねて計画を立てても、成功するか否かは分からないのだから。

まずは小さな実行から踏み出して、軌道修正しながら状況によっては撤退の判断を素早く行い、可能性があると思えば、大きな構想を描いてさらに一歩踏み出していくという発想が重要だろう。―

 

ここのところを私は、前回「トライアル&エラ-の勧め」という内容のブログで書いてみました。

ボクシングでいえば、小さくジャブを出しながらチャンスと見れば強いストレートパンチを打つようなイメージです。

 

今回、同じレポートの筆者が「ロジカルシンキングにも限界」というタイトルで続きを書いていましたので、次回からその点に触れていきたいと思います。

 

つづく