待望される現代的でスマートなリーダー―大仰なセリフに見る時代の変遷―Ⅱ(おしまい)
ところでよく似たセリフに「私は義理堅い人間だから・・・」とか「私は、義理人情に篤い男ですから・・・」といったものがある。
こういうことを口に出して言う人は、もちろん一見義理や人情を大事にしているように見える。
しかし、少し突っ込んでみるとそれはその人なりの計算であったり、義理人情も相手によりけりだったりということも多い。
そもそも本当に義理人情に篤い人間は、そんなことは口にしない。
私はそんな友人を何人か知っているが、普段の付き合いは実にそっけないものである。
お互いベタベタとしたセリフなど必要としないし、そんなものは邪魔なだけなのだ。
ただ、私は彼が本当に情に篤い人間であることは知っている。
それでいいじゃないか、と思っている。
ボクシング連盟の話に戻すと、世界チャンピオンの村田選手が
―そろそろ清く辞めましょう。悪しき古き人間たち、もうそういう時代じゃありません―
とSNSに投稿したらしい。
山根氏は怒っていたようだが、先述したように彼は悪しき古い価値観の持ち主である。
村田選手に批判されても仕方がない。
日大やボクシング連盟、レスリング協会に限らず、日本はこの古い価値観を持つ管理職をスポーツの世界から一掃しなければ、今後もつまらない問題でぎくしゃくすることが続いてしまうのではないだろうか。
いや、スポーツの世界に限らないのかも知れない。
様々な分野で、清廉なハートとスマートな頭脳を持ち、現代的なセンスに富んだリーダーが次々と現れてくれることを願ってやまないのだ。
おしまい