官僚が魅力の薄い仕事になってきたのか?―時代背景によって変わる職業への魅力―Ⅱ

北岡名誉教授のオピニオンを読んでいて思い出したのは、私が昔書いたブログでした。

それはちょうど10年ほど前、奇しくも第1次安倍内閣が手をつけた公務員制度改革に苦言を呈した、石原信雄元官房副長官のインタビュー記事に対して噛みついたものでした。

 

このブログに私がつけたタイトルは「時代錯誤を嗤う」というものでした。

それは

「公務員制度改革によって天下りがままならなくなったが、いい人材が官僚に集まらなくてもいいのか。」

という石原氏の提言を、

「時代錯誤もいいとこではないか。」

と、強烈に批判したものだったのです。

 

あれから約10年、やはり第2次安倍内閣が手をつけた官邸主導の政治手法は、さらに官僚の力を奪ったようです。

北岡名誉教授の論調は、石原信雄元官房副長官のそれとはやや異なるものの、官僚の弱体化を問題と捉え、何か対策を打つべきという点では一致しています。

 

激務の割には給料が安いのではないか、というのは、当時の石原氏も同じことを言っておられて、それに対しては私も、リアルタイムに激務に応じた給与にすべきではないか、と書いていました。

ただ、石原氏が「天下りは当然」という論調だったのは今とはかなり違っています。

 

結局、今回北岡名誉教授のオピニオンを読んでいて、公務員制度改革が以前よりはやや進んで、ますます官僚が魅力の薄い仕事になってきたんだな、ということがわかります。

とはいえ、給与が安い、といった課題の解決は、相変わらず進んでいないようですが・・・・

 

 

つづく