東大法学部の凋落―時代背景によって変わる職業への魅力―Ⅰ

 

8月5日(日)読売新聞の1面、「地球を読む」というコーナーに面白いコラムが載っていました。

東大名誉教授の北岡伸一氏の書かれたコラムで、タイトルは「官僚バッシングの帰結」―東大法学部の凋落―というものです。

 

その内容は、日本の受験界における文系最難関の東大法学部で、教養課程から専門課程に進む際に定員割れが起きているというのです。

しかも、その状況が既に5年も続いているらしいのです。

 

これは私には意外な事実でした。

東大法学部といえば文系を目指す学生にとって受験界の頂点、野球に例えると不動の4番、といったイメージだったのです。

東大の文Ⅰを目指す学生はみんな法学部に進むもんだ、と思っていました。

 

学生に人気のない原因としては、法科大学院制度の失敗、上級公務員制度の危機をあげておられます。

中でも上級公務員制度の危機は深刻である、と述べておられました。

 

上級国家公務員即ち官僚は、激務の割に給料が安いらしいのです。

もちろんそれは、昔から言われていたことで、退職金で帳尻を合わせるというおかしな制度設計になっていたのですが、現役時代は、一流企業と比べるとかなり安いようです。

天下りも昨今では制限が厳しく、年金も大企業に比べればかなり少ないようなのです。

 

つまり、北岡名誉教授の論調としては、

―官僚が職業としての魅力が薄れてきたためか、成り手の候補者が少なくなってきた。

特に、その予備軍養成所として最も機能してきた東大法学部も定員割れを起こして危機的状況である。

これは、国家的危機ともいっても過言ではないので、何とかしなければいけない。―

といったところなのでしょうか。

 

北岡氏のご意見を参考にしながらこの問題について考えてみたいと思います。

 

 

つづく