いかなる理由を並べてもやりたくないこと―決断と行動開始は早いほど効果的―Ⅰ
 

 

もう15年以上昔の話になりますが、お客さんである中小企業にパソコン会計の導入を進めていた時期がありました。

企業の経理部門にはパソコンの導入が不可欠、と考えたからです。

 

製造管理や販売管理など、他の複雑なコンピュータソフトの導入はなかなか難しくても、まずは会計ソフトから始めれば、企業のOA化(オフィス・オートメーションの略、人的処理作業などを、コンピュータを使って電子化していくこと)はスムーズに進むと考えたからにほかなりません。

時代背景としては、まさにぴったりだったので問題なく進むと思っていました。

 

ところが、この試みに対しては、思いのほか激しい抵抗を受けました。

みなさん「そんなことはしたくない!」とおっしゃるのです。

 

経理を手作業で行なっていることの方が不思議だった私にとって、これはかなり意外な出来事でした。

 

反対の理由は様々でしたが、主に次のようなことをよく言われました。

操作が難しくてよくわからない。

・費用がかかりすぎるのでは。

・(数字の)誤魔化しが効かなくなる。

・今までの方が慣れていてやり易い。

・それでどれほどの効果があるのか・・・等々

 

そのほかにも、やりたくない理由については山ほど言われました。

 

私にとって「たかが経理へのコンピュータ導入」と思ったのが、やりたくない人にとってはいかなる理由を並べてもやりたくない、ということだったのです。

 

とはいえ、時代の流れには逆らえません。

あのとき、あれほど反対された経営者さんたちも、今では当然のようにコンピュータ会計を導入されています。

 

つづく