「やるんだ!」とさっさと決めるしかない―決断と行動開始は早いほど効果的―Ⅱ
先に列挙した反対理由の中の最後に「効果がどれほどあるのか」というものがあります。
これは、私がコンサルティング的なご提案するときも必ず聞かれるセリフです。
もちろん、そういったご質問に対しては、できるだけ丁寧にお答えするようにしているのですが、その効果を完璧に数字で説明することはできません。
新しい機械の導入とかであれば、「生産効率が何%アップします。」とか証明できるのでしょうが、販売促進部門の様々な提案に対してはかなりアバウトな説明しかできないのです。
先のコンピュータ会計導入の話に戻しますと、ここで「効果がどれほどあるのか」と聞かれても、これはいわば企業インフラの整備と言ったレベルのお話です。
すぐに何百万円、何千万円、得しますよとか、儲かりますよと言った返事などできる訳がないのです。
道路の舗装工事をしようとしているのに、
「その予算に対して経済効果はいったいいくらなんだ?!」
と、言っているようなものです。
逆に
「じゃあ導入なさらないんですか?ずっと手書きの帳簿で行くおつもりですか?」
と聞き返すしかないことになります。
経営者は、常に理詰めでものを考える必要性があるのはもちろんなのですが、アナログの世界からデジタルの世界へ、といったような大きなテクノロジー環境の転換期に際しては、細かい理屈を言う前に、やるかやらないかを早期に決断すべきです。
もっともこの場合「やらない!」という決断はあり得ませんので、「やるんだ!」とさっさと決めるしかありません。
元々、後戻りはできない世界なのですから、できるだけ早めに決断するしかないのです。
昔と違って「よその様子を見てから・・」などと言っていたのでは、近代戦において決定的な後れを取ります。
つづく