流行に時間差があった時代―情報格差時代に基軸とすべきものの考え方―Ⅰ

 

私がまだ若かった頃（３０年以上昔ですね）までは、流行に時間差がありました。

都会で流行ったファッションやカルチャー、遊びなどは、数ヶ月、場合によっては数年遅れで、水に石を投じたときの波紋のように、徐々に地方へと広がっていったものです。

 

私も２０年以上東京にいましたので、たまに出張などで地方に行くと、「まだこんなもんが流行っているんだ。」とか「これ、久しぶりに見たなあ・・・」といったことがしばしばありました。

こういったタイムラグは、割と普通に感じていたものです。

 

今はどうでしょうか。

そういった時間差はほとんど感じなくなりました。

それはたぶん情報が瞬時に拡散する時代になったからでしょう。

この「情報の拡散」については、後で詳しく述べたいと思います。

 

さて、とはいえ、私の若かった頃もテレビや雑誌、新聞といった媒体は、さらにその前の時代比べれば普通に普及していましたので、これらのマスメディアを通じて情報が取れない訳ではなかったのです。

ただ、そういったメディアからいわば一方通行で与えられる情報は、個人個人がそれを自分のものとして受け入れるまでに少し時間を要したのかも知れません。

 

表面的な現象としての、流行の時間差といったことは昔に比べてあまり感じなくなったのですが、一方で「情報格差（デジタルデバイド）」ということが盛んに言われます。

この「情報」にまつわる現在の混乱状態について、少し突っ込んで考えてみたいのです。

 

 

つづく