収益を上げる人が高い賃金をもらうのが本来であるべき姿―働き方改革に向き合って思うこと― Ⅲ(おしまい)

製造業を基本に置いた賃金制度・・・・私が抱いていた違和感の要因がこうやって解明できたとはいえ、その解決策には難しいものがあります。

この点は将来への大きな課題として、知り合いの先生は以下のように結んでおられます。

 

第三次産業では、いい仕事をする人の方が、仕事の時間は少なくて済むんですよね。

そして、能力が低い人が残業をするということになります。

したがって、残業=売上の増加=残業手当という計算式がなり立たなくなるんですよね。(中略)

付加価値の高い仕事をすれば、賃金が上がる。

要は収益を上げる人が高い賃金をもらうというのが、本来であるべきだと思います。

でも、残業=残業手当という製造業時代の賃金制度を引きずったままですから、能力の高い人の賃金が抑制されて、能力のない人と平準化が図られちゃっているんですよね。(中略)

ただ、そういう賃金制度にすれば、仕事ができない人の賃金は今よりも下がるということになりますけどね。

今の賃金制度は、護送船団方式の名残。

みんな同じにしておきましょうという考え方の上に立っています。

資本主義でありながら共産主義的な発想なんですよね。―

 

ここに書かれているように「収益を上げる人が高い賃金をもらうというのが、本来であるべき姿」というのが正論だと私も思います。

ただ、残念ながら今の日本はそうなっていません。

 

そういった賃金制度が整備されるのにはもう少し時間がかかるのかも知れません。

今の日本はその前の段階、いわゆるブラック企業などの一掃を図ることが当面の目標なのでしょう。

 

そうはいっても、ここの改革をやり切った暁には、本当の意味での「働き方改革」や賃金制度の整備を成し得なければ、日本経済は世界に大きく後れを取る恐れがあります。

その段階まで見据えた上で、今の「働き方改革」に向き合おうと私は思っています。

 

 

おしまい