価値の創造を目指している第三次産業―働き方改革に向き合って思うこと― Ⅱ
高度成長期の製造業をベースに考えられた日本の賃金制度。
私がなんとなく抱いていた疑問がそこにあったとすれば、その解決法はどのように考えればいいのでしょうか。
その前にFB知り合いの税理士先生の分析は続きます。
この点については次のように述べられています。
―日本から製造業が減っていった現在、多くの仕事はサービス業になってしまっています。
いわゆる第三次産業ですね。
日本では、第三次産業に従事する人が75%ともいわれています。(中略)
で、日本の賃金制度のベースは製造業時代にあるんですから、いまだに残業すれば賃金は増えるということになります。
でも、製造業と違って、第三次産業では、残業すれば生産量が増えるというものではありません。
第三次産業は価値の創造でもあるんですよね。
すなわち、製造業のように、ラインを動かして、製品を製造している産業ではないんです。
製造業であれば、ラインを動かせば動かすほど、製品ができます。
したがって、残業=売上の増加=残業手当という計算式がなり立つわけです。―
言うまでもなく、私の仕事、会計事務所は第三次産業であるサービス業です。
ここに書かれているように、価値の創造を目指している第三次産業では、残業=売上の増加=残業手当、という図式は成り立ちにくいのです。
私が、なんとなくしっくりこないなあ・・と抱いていた違和感の要因はこういうところにあったのです。
当たり前のことですが、私は自分のやっている仕事に「製造業」的な要素を感じたことはありません。
職種としては、製造業とは明らかに異なる感覚を持っています。
そのために、上記のような賃金制度に違和感を覚えたのは無理のないことなのです。
つづく