積み重ねた治験を新技術で発信―和魂洋才をアレンジする―Ⅲ
新しい技術や知識も柔軟に受け入れていく・・・
この「受け入れていく」というのは具体的には、自分で直接、処理や操作ができなくても若いスタッフに任せる度量を持つ、といったことを指します。
企業内には、その歴史に組み込まれたDNA、理念や哲学がありその継承は常に必須の課題と言えましょう。
一方で新しい技術や方法論の受入れも経営上重要な要素となります。
この両者を「古魂新才」という考え方でつないでいくのです。
上記は企業組織内の世代間連携といった考え方を示す「古魂新才」の事例ですが、これを更に応用して考えることもできます。
それは、常々私が提唱している「経営者自らが行なう情報発信」において当てはめることができるのです。
経営者が培ってきたキャリアや胆力といったものは大きな財産である、と先述しました。
世の中にはこういった経験にまつわるエピソードを聞きたい、知りたいと思う人は、経営者本人が想像している以上に大勢いるということも以前述べました。
ただこれまで、そういった経営者の持つ治験を伝える術(すべ)がなかったのです。
ここで私は、現代的な新しい技術であるインターネット、SNSといった手段を使ってはどうか、と提案したいと思います。
これらの媒体を使って経営者自身がブログ、コラムといった形で情報を発信していけば、それはやがて企業イメージをプラスの方向で形成していく大きな力になります。
ここに蓄積されたアーカイブの数々は、やがて地域FMや地方新聞に展開するという形で、さらに発信の場を広げていくことも可能です。
SNSが苦手でよくわからない、ということであれば、そのセッティングだけを若手に頼めば済む話です。
こういった試みも「古魂新才」という切り口を応用して考えた一つの事例と言えるのでなないでしょうか。
つづく