新しい価値観を考える―和魂洋才をアレンジする―Ⅰ
「和魂洋才」という言葉があります。
その意味については
―日本古来の精神を大切にしつつ、西洋からの優れた学問・知識・技術などを摂取・活用し、両者を調和・発展させていくということ―
と解説されています。
読んでおわかりの通り、かつて欧米の文化や技術をどんどん取り入れ、学習していた頃の日本人の「こうありたい」という精神の座標をかなりはっきりと言い切った四字熟語と言えるでしょう。
日本の技術水準、文化水準が世界のトップレベルに肩を並べた現代においては、もちろんこんな風に規定される必要など特にありません。
和魂和才でも洋魂和才でも洋魂洋才でも何でもありではないでしょうか。
また、昔に比べて、情報、文化、知識、技術などがけた外れの量、凄まじいスピードで世界を行きかっているのが現代社会です。
そんな中、どれかに規定するなどあまり意味のないことのようにも思えます。
しかし、この「魂=精神・考え方」「才=知識・技術」という両者の意味と、その組み合わせは、さらによく考えてみる必要性があるのではないでしょうか。
これを何か現代風にアレンジして改めて掘り下げてみる、といった作業ができないものでしょうか。
そこで私は「古魂新才」という言葉を考えてみました。
昔からの古い精神を大切にしつつ、新しい知識や技術も重んじ、両者を調和発展させていくという意味です。
この考え方や切り口を現代のビジネスシーンに取り入れてみてはどうか、と発想してみたのです。
つづく