地域経済を考える―地縁血縁経済を打破するためにやるべきこと―Ⅰ
長年にわたって、地方における企業活動をウォッチングしていますと、地方経済がいかに地縁血縁の結びつきに依拠しているか知るところとなります。
これは経営者に限ったことではありません。
地方に暮らす多くの人が、あらゆる場面で相手の氏素性をかなり気にしますし、みなさんいろいろな地縁血縁関係に驚くほど詳しいことも事実です。(私にはとてもついて行けませんが。)
もちろんそれが悪いという訳ではなく、一つの知恵として機能してきたことは間違いないところです。
しかしながら、時代は変わりました。
地方の現状は過疎化高齢化の波がとどまることを知らず、地縁血縁に依拠する形で商売を続けていくことで、昔のような成長発展は到底考えられません。
これまでとは発想を変えて、相当踏み込んだ新しい手を打っていく必要があるのです。
地縁血縁に依拠した経済は、まだ地方が多くの人口を抱え、そこに暮らす人々の購買力が旺盛だった頃のビジネスモデルなのです。
とはいえ、私の見たところ、地縁血縁の結びつきを根底に置いたビジネスの意識を変えていくのは容易なことではありません。
地方で暮らす人の、自分だけが変わったことをしたら地域社会からスポイルされるかも知れない、という一種の恐怖心のような意識にはかなり根強いものがあります。
ですから、ある日突然これまでのやり方をガラリと変えて、極めて現代的で合理的なビジネスモデルに切り替えるといった現象は起こり得ないのです。
そんなことは考えてもいないでしょう。
とはいえ、何かしらの改革を実施していく必要性は待ったなしの状況なのです。
つづく