OA化について改めて考える―石器時代のビジネスモデル?―Ⅴ
あの頃のことを思い出してみて、面白かったのは、当時の業界誌に「顧客へのパソコン会計導入は是か非か?」などという特集が組まれていたことである。
誌上では、「導入すべきだ。」「いや、導入すべきではない。」といった議論が喧々諤々交わされていた。
私は
「へぇーっ、導入すべきではない、なんて思う会計人もいるんだ。そんな議論、全く意味がないだろうに・・」
と、議論すること自体馬鹿馬鹿しく思えていたのである。
さて、それから約20年近く過ぎ去った。
そこで、冒頭の若い職員との会話である。
世の中、相当変わったはずだ。
コンピュータ導入どころか、クラウドとか自動読み取りとか、AIの世界とか・・といった時代である。
衝撃を受けたのは、そんな時代背景にもかかわらず、未だにアナログの資料を打ち込んで会計データを作成しているのがメインの仕事(記帳代行業務と呼んでいる)という事務所もある、ということだ。
同じ業界ではあるが、これまでそういった存在に全く目を向けないできた自分がいたのである。
この話を聞いて
「これは自分の事務所のことばかりでは済まないぞ。」
と思う。
つづく