OA化について改めて考える―石器時代のビジネスモデル?―Ⅳ

そういう経緯もあって、会計人の業界は、コンピュータ導入については他の業界に比べて先駆者だったはずだ。

問題はその後なのだが・・・

 

さて、その次に更に普及の速度を速めたパソコンは、お客さんのところへも入り始めた。

入り始めたといっても、私の記憶ではお客さんの方があまり積極的だったとは言えない。

 

というのは、経理処理というのはどちらかといえば、守りの仕事である。

経営者は当初お金を稼ぐ方の分野に興味があったと考えられる。

 

したがって販売管理や在庫管理、或いは必ず毎月発生する給与計算といった分野に興味は向いていたのではないかと思う。

経理処理のハードやソフトにそんなにお金をかけたくない、という雰囲気を感じたことを思い出す。(今もその雰囲気はないではない。)

 

とはいえ、我々の強力なプッシュもあって会計部門へのパソコン導入も徐々に進んだ。

私の事務所では20年近く前からお客さんへのパソコン導入は事務所を挙げて取り組んだ。

 

お客さんの抵抗も所内の抵抗も結構すさまじかったが、私はかまわず進めたのである。

あのときの強引さがなければ、今の事務所はないだろうな、と胸をなでおろしている。

 

 

つづく