地方におけるビジネス感覚を考える―地縁血縁商売との決別?―Ⅴ

地域社会にどっぷりとつかり、そのマインドと慣習の中で暮らしていく。

そのことがなにも悪いわけではない。

 

しかしながら、一つだけ決定的に困った事態を招くことになるのだ。

それは、ビジネス上の発展性を大きく阻害するということである。

 

どういうことかというと、地方の場合、例外なく過疎化が進み高齢化社会が加速している。

つまり、それまでのマーケットでは商売が厳しくなっているのである。

 

ということは、それまでの地域社会というマーケットからできるだけ脱却して新しい市場を開拓する必要に迫られている。

つまり、地縁血縁をベースに成立していた商売が維持できなくなっているのである。

 

この状況を打破するためには、まだ出会っていない未知の顧客を開拓していく必要があるのだ。

しかしながら、これまで述べてきたようなマインド或いは慣習で商売が成り立ってきていたために、多くの経営者が何をどうしていいかわからない状況であった。

 

私自身も、ここまで述べてきたようなことをはじめから系統だってロジカルに理解していたわけではない。

今でこそ、こんな風に書けるくらい分析し整理されているが、当初は戸惑いの方が多く、どのように助言し修正を促していったらいいのかわからなかったのである。

 

つづく