経営と家事の共通項を考える―ついでに違いも考える―Ⅴ

つまり、家事と経営の共通点は、同時にいくつものお手玉を操らなければならない、というところにある。

ひとつのお手玉が済んだら次のお手玉という訳にはいかない構造になっているのだ。

 

仕事を直線的に縦に並べることができない。

常にパラレルの状態で進めなければならないのである。

 

この辺が役割分担のはっきりしている専門職、或いは職人さんの仕事とは明らかに違っている特徴なのである。

そのために常に多重的に次の段取りを考えながら今の仕事を進めなければならない。

 

こういう多重的パラレル的に、次の段取りとの糊代(のりしろ)を作りながら仕事を進める才能は女性の方が優れていると認めざるを得ない。

どちらかというと、男は一つのことに没頭させた方が向いている人が多い。

 

かくいう私も、仕事においては、日常的に発生する総務的なことや処理業務のほとんどは担当者に任せている。

できれば、判断、決済、次の戦略構想などに気持ちを集中させたい。

 

そんな私が、家事のすべてをやる羽目になったのだから大変である。

カミさんに任せていた部分がいかに大きかったかがよくわかる。

共働き夫婦で、奥さんの方に家事負担が過重にかかってきたとき不満が溜まるのも無理はない。

 

 

つづく