メディア化戦略とブランディングⅧ(おしまい)
ここで小林氏の言う「ビジョン」というのは、言葉を変えれば経営者の持つ「先見性」ともいえるだろう。
それでは先を見通したその先見性はどうやったら身につくものであろうか。
それは、私は「情報の収集」と「情報の発信」にあると考えている。
あくまでも収集(インプット)だけではなく、発信(アウトピット)とペアでなくてはならない。
我々は、通常先見性を得るために様々な情報をインプットする。
普通はこれを真面目に行なうことで、ある程度の先見性は手にすることができると考える。
しかし、本当の意味での先見性を手に入れるためにはアウトプットが必要なのだ。
というのは、情報は取り込んだだけでは、まだ不十分なのである。
取り込んだ情報に自分なりの見解を加えて再び発信するという行為を行なう必要がある。
そのプロセスにおいて情報はよりしっかりと咀嚼され、第3者の目に触れさせることで、その情報の選択や解釈、期待が妥当なものか否か判定されるからである。
特に中小企業の場合、マーケティングリサーチを費用や手間をかけて行なうことは難しい。
その点、SNS等を駆使した情報発信を行なっていれば、ある程度の反響は、双方向性の中で見ることができる。
先見性を持ったブランド力のある企業に育て上げるためにも、メディアを駆使した情報発信は欠かせないのである。
おしまい