「できっこない」ではできっこないⅠ
このブログの前々回のシリーズで、三菱重工の豪華客船造船事業からの撤退について書いた。
読売新聞2016年12月25日、宮永俊一社長への単独インタビュー記事を読んでのものだった。
新聞のタイトルは次のようになっていた。
「客船大赤字 もう造れない」サブタイトルに「『聞くのは恥』とする風土 上意下脱の統制アダに」とある。
その中で、
「三菱重工のような消費者との接点が少ない会社は、豪華客船のような或る意味、華やかさや贅沢さ、豪華さを求められる事業には向いていなかった。」
的なことを述べられていた。
上記の『聞くのは恥』とする風土、というのは造船所別に残る強烈なセクショナリズム的な風土を指している。
独立性が強く、自分たちだけでやろうという「自前主義」が幅をきかせている。
今回はある意味、そんな中での「職人気質」みたいな意識が事業を躓かせる原因の一つとなったのである。
もちろん、「職人気質」というのは悪いばかりではない。
もの造りにはむしろ大切な要素であろう。
この記事に関しては、前々回のシリーズ「真面目の功罪―柔軟性への挑戦―」の中でいろいろと書いた。
気になる点に関して、更に書いてみようと思う。
つづく