不必要○○と必要○○Ⅰ
私は会計や税務を生業(なりわい)としているので、この業界独自の専門用語を使う機会は多い。
そんな中でも、特に登場回数が多いのは「必要経費」という言葉である。
これは、企業業績の記録を整理して利益を確定するのに、計算上どうしても欠かせない項目である。
お堅い言葉の多い我が業界ではあるが、この言葉は割と一般にも馴染んでいる方だろう。
しかし、ふと考えてみた。
「必要経費」っておかしくないか?
「経費」というのは、いわば仕方なく支出する金銭のことである。
できれば低く抑えたいし、出さなくて済むものならばそれに越したことはない、と、事業を経営していればほぼ万人が思うのではないのか。
つまり、「経費」というのを「必要」なものとして考えるのは不自然であり、むしろ「不必要」なものとして認識する方がそもそも自然なのではないのか。
誰もがない方がいいと思っているその言葉の頭に「必要」と付けること自体に違和感はないのか?・・・と考えたのである。
そう突き詰めていくと、世の中に「不必要経費」はあっても「必要経費」というものは概念上存在しないのではないか。(かなり強引な定義付けであることは承知の上であります。)
つづく