先行投資の肝っ玉Ⅳ（おしまい）

そんな中、企業経理のコンピュータによる処理は必須の経営課題であった。

私の事務所では、１５，６年前からパソコン会計ソフトの導入お勧めし始めたのだが、その際に先述のアレルギー症状が現れた。

 

コンピュータ導入の失敗、というトラウマを抱えた経営者には、軒並みパソコン会計ソフトの受入れを拒否された。

当時、すでにPCの操作はウィンドウズの世界に入っていた。

 

比較的廉価でコンピュータに慣れ親しむ入門編としては最もふさわしい会計ソフトの導入にもそのトラウマが大きく影を差したのである。

 

もちろん、すべての経営者が失敗したわけではない。

「初めはこんなもの。」と割り切って、次のステップに踏み出した経営者もいたとは思うが、失敗に終わった人が多かったのだ。

 

さて、そう考えると、経営計画ソフトの導入に成功した先生方も、初めから順風満帆という訳ではなかったのだろうと推察される。

お金をドブに捨てるような気分で悔しい思いをした方もいたに違いない。

 

そこを乗り切った先生方が、こうやって事業化に成功されたのだろうと思うのだ。

３０年前の１３００万円の投資をさらりと言ってのける。

こういった先行投資に対する肝っ玉がなければどんな事業もうまくいかないんだろうな、と思わされた夜だった。

 

 

おしまい