地域企業の儲け方Ⅱ
この農畜産の際立った特徴の一つ「在庫が残らない」という点は大きい。
商売をやっていて、最も頭の痛い問題の一つに「在庫の扱い」ということがある。
在庫が多いということは、帳簿上利益が出ていても資金繰り的には苦しい状況に追い込まれるからである。
この「在庫が残らない」というほかの商売から見れば、ある意味かなり有利な条件を持つ農畜産業の業績を左右する要因はたったの2点である。
それは「相場」と「商品力」だ。
「相場」が高い時には、生産物は黙っていても捌けるどころか、市場が品不足のため少々難ありの商品でも高値で取引される。
どんどん出荷すればそれだけ儲けることができるのだ。
逆に「相場」が低いとき、それも限度を超えて低いときなどは悲惨である。
場合によっては生産原価を割ることもあり得るのだ。
そういったとき、特に農業の場合、在庫が残ってしまうというよりも、あえて「コストをかけてまで出荷をしない。」といった選択をすることもあり得る。(収穫しないで畑にそのまま残す、或いは重機でつぶすといった光景が時々テレビなどで放映されている。)
動物が相手の畜産の場合はそれもできないために、赤字覚悟で泣く泣く市場に出荷することになる。
つづく