地域企業の儲け方Ⅰ
東京から地元鹿児島に帰り、税理士として働き始めて20有余年、地方の衰退が叫ばれる中、経済面での専門家としてその状況をつぶさに見てきた。
現在においても、全体としては不振にあえいでいる地元企業が、業績を伸ばしもっと儲かるための処方箋を考えてみたい。
なおこの見解は、その要因を外に求めるものではない。
あくまでも内なる原因を徹底的に追究してみてはどうか、という提案である。
なぜならば、おそらくこのアプローチが業績回復の処方箋としては最も有効と判断したからである。
さて、私から見れば地方における業績不振の要因はたった2つである。
それは、「商品力不足」か「販売力不足」そのどちらかである。
或いはこの両方ということもあり得る。
まず、「商品力」から考えてみたい。
実は私の住む大隅地方には、他の地域とは違った大きな特徴がある。
それは農畜産業が盛んであるということだ。
農産物や畜産物は、通常生産したすべて或いは育てたすべてが捌けることになっている。
育てた牛や豚が売れないで手元にいつまでも残る、ということはない。
農産物にしてもそうである。
つまり在庫が残らないのである。
つづく