本を読むことについて(パート2)Ⅱ(おしまい)
さて、こうやって読書について考察してくると、改めて様々な発見がある。
経営者たるもの自らの進歩のためには、知識や知恵のインプットである読書は普段から欠かすことはできない。
この普段のインプットの努力が、何か迷ったり問題に直面したときの解決策を示してくれることが多いからである。
つまり、起こってしまった問題解決のために判断をしたり、何か処理をしなければならないときは、持っている知識や知恵の引き出しの多さがものを言う。
あれこれ迷って時間をかけるよりは、先達の智恵を借りて早期に処理を済ませた方が効率もいいのである。
また、効率だけではなく、本質的な解決に近づく可能性も高いのだ。
ところが、何か新しいものを生み出す、という作業になると事情が変わってくる。
引き出しの多さはもちろん大切ではあるが、それ以上に重要なのはどれだけ深く理解しているかということである。
独自性やオリジナリティーは、知識の幅の広さよりも本質的な理解の深さから出てくるものだからである。
そういう意味では「読書」というものは、ただやみくもに向き合うのではなく「使い分け」が大切なのであろう。
そこが、学生や一般サラリーマンと違って経営者の難しいところである。
おしまい