飛行機の中やカフェには及ばない―「読書という山脈」をいかに制するか―Ⅱ

マイホームを建てるとき、書斎を設け本に囲まれて暮らすという、かつて夢見ていた環境を作り上げた私。

がしかし、これですべてOKというわけではなく、一つ問題がありまして・・・・

さてそれというのは・・・

 

私にとって問題なのは、こうやって理想的とも言える環境を作り上げたにもかかわらず、現状、肝心の読書をあまりちゃんとやっていない、ということなのである。

せっかく、読書三昧に耽っていられる、という状況にありながら、あんまり読書に時間を振り向けていない。

前述のように、残りの人生そんなに長くもないのに、「何をやっているんだ、俺は!」ということなのだ。

 

自分の読書生活を振り返ってみると、本を読むのに最も集中しているのは飛行機の中である。

飛行機のフライト中は、特に何もすることがない。

 

多くの人は眠っているけれど、普段あれほど寝るのが好きな私が、飛行機の中では熟睡できない。

別に熟睡できなくてもウトウトでもいいじゃないか、とも思うのだが、どうせなら横になってくつろいで眠りたい、というのが私の欲望なのである。

あくまでも我が儘な奴なのだ。

 

まあそれはともかくとして、鹿児島、東京往復の間にほぼ一冊は読み終わるので、飛行機の中というのは実に理想的な読書空間なのである。

だとすれば、本をもっと読みたかったら「飛行機の中の空間」みたいな状況を、日常的に作り上げればいいじゃないか、ということになる。

 

というわけで、若干それに近いのがカフェでの読書である。

周りがガヤガヤと喧騒の中ではあるが、ときおり、そんな喧騒に気をとられたりしながら、待て待てと再び読書に集中する、というスタイルは、ちょっと飛行機の中にも似て悪くはないのだ。

 

で、本来静かで最も理想的なはずの書斎での読書というのは、何故前述の二つに及ばないのか?

この点について考えてみた。

いろいろと理由はありそうである。

 

まず一つは、他の選択肢にもすぐに移れるということだ。

読書に取り掛かろうとする中、「あ、そういえば洗濯機を回さなくちゃ。」とか「アイロンかけなきゃいけないものが溜まっていたなあ。」とか「手間のかかる料理をやっちゃおうかなあ。」とか、いわゆる雑念がごちゃごちゃと頭の中を駆け巡るのである。

 

ん?ここで不思議に思われた方もいるのではないかと思う。

「それって、普通、奥さんにやってもらう仕事じゃないの?」と。

まあ、男女平等が声高に叫ばれている世の中だから、そんな風に決めつけるのはけしからん、とお叱りを受けるかも知れないが。

 

私もカミさんと暮らしているときは、上記の家事の大半をカミさんにやってもらっていた。

しかし、以前からこのブログにも書いていることだが、今、私は一人暮らしである。家事のすべては、自分でやらなければ誰もやってくれはしない。(なんでそんな羽目に至ったのかは、以前のブログを読んでください。あ、別に極めてシリアスな理由ということではありませんので。)

 

まあ、というわけで、雑念が入りやすい生活環境そのものが、読書の邪魔をしているのだ。

雑念に振り回されなきゃいいじゃないか、という意見もあるだろうが、椅子から立ち上がればいつでも他のことができるという状況下においては、

「あっちの用事を先に済ませた方がいいんじゃないか・・、いやこっちかな・・・」

と、なかなか集中できないのである。

 

デスク周りが片付いていないなあ・・・

 

つづく