事業活動上どうしても使わなければならない「必要経費」―社長が意識すべきは、時代に先んじる「読み」と「決断」―Ⅱ

事業の業績が思わしくないときに、それを上向かせるための考え方は、大きく三つに分類することができます。

一つは「売上」を伸ばすこと、もう一つは「原価」を下げること、さらにもう一つは「経費」を削減することです。

 

業績を回復させるためには、上記のどれかに取り組むか、または、この三つを組み合わせることになります。

その際、経営者は「経費」の削減、という「引き算」で考えることが多いのですが、どのような優先順位で引き算するかで、企業の将来性がまるで違った展開になってきます。

 

先述のように、いわゆる「経費」は「販売費及び一般管理費」として、決算書上の損益計算書(PL)に、数十項目に分けて表示されています。

一般的にはこの「販売費及び一般管理費」をさらに細かく分けて表示することはしません。

会計的にはそれで構わないことになっているからです。

 

しかしながら、これに経営的に向き合ったときは、違う切り口で考える必要があるのではないか、ということです。

さて、前置きがかなり長くなってしまいましたが、これが今日申し上げたいことなのです。

 

「経費」の中には「旅費交通費」や「事務用消耗品費」のように、事業活動上どうしても使わなければ済まないものがあります。

いわゆる「必要経費」と呼ばれるものです。

 

日常業務を進める中で「出張に行くな。」とか「ボールペンを使うな。」とは言えません。

「通信費」などもこれにあたります。

「電話やメールを使うな。」などとは言えないからです。

 

これらは事業活動を続ける上で自然に出ていく費用で、これを止めたのでは事業がストップしてしまいます。

しかしながら、「販売費及び一般管理費」の中には、今それをやめたら事業活動上どうしても支障をきたす、とは言えないものがあります。

 

その代表が「広告宣伝費」ではないでしょうか。

ほとんどの企業が、今日広告宣伝をやめたからといって、明日から困るわけではありません。

そこが「通信費」や「交通費」と違うところです。

 

そのほかにも「研修費」とか「新聞図書費」などをあげることができます。

これらも、それをやめたからといって明日から困ることはありません。

「接待交際費」などもその代表といえるでしょう。

 

計算機で作業しているペンを持っている会計士

今日も経費の清算を・・・・

 

つづく