利益を増大させるために向き合うべき三つの課題―社長が意識すべきは、時代に先んじる「読み」と「決断」―Ⅰ

企業の業績は、会計処理がきちんと成されていれば、決算書に正確な「数字」として表れます。

その「数字」をもとに、経営者はその年度の業績を把握し、納税まで行なうことになるのです。

 

ところで、その業績が思わしくないときに、それを上向かせるために、経営者はこの「数字」と向き合うことになります。

そしてこの「数字」に関して、いろいろな経営上の判断を下さなければなりません。

 

その際の考え方は、大きく三つに分類することができます。

一つは「売上」を伸ばすこと、もう一つは「原価」を下げること、さらにもう一つは「経費」を削減することです。

 

業績を上向かせるためには、上記のどれかに取り組む必要があります。

または、この三つのいずれかを組み合わせることになります。

或いはその全部を組み合わせる場合もあります。

業績を上げ、さらに安定させ、利益を増大させるには基本この三つの課題に向き合うことになるのです。

 

少し硬い会計の話になりますが、この中で「原価」部分を「変動費」と呼び、「経費」部分は「販売費及び一般管理費」として「固定費」と呼ぶことがあります。

この分け方を基準にして作られた財務諸表が「変動損益計算書」と呼ばれるものです。

 

お聞きになったことはあると思いますが、「変動費」は、売上に連動して上下する原価或いは費用のことを指します。

「固定費」は、売上に関係なく企業活動を続ける上で、必ず支出しなければならないコストのことです。

 

さてその、業績が伸び悩んでいるという中で、「売上」を伸ばす手立てがなかなか見つかりそうもないとき経営者は、どう考えるでしょうか。

つまり、「足し算」ができないときにどう考えるかということです。

 

おそらく、固定費いわゆる「経費」の削減を考えるのではないでしょうか。

無駄な「経費」はないか、何か削れるものはないか、という「引き算」で考えることになりますね。

 

このとき、経営者はどのような優先順位で、その経費削減を考えるのでしょうか。

この優先順位のつけ方によって企業の将来性がまるで違った展開になるため、ここは真剣に考えなければなりません。

電卓と決算表

数字が大事。

 

つづく