明確に異なる「先行投資型経費」と「即時消費型経費」―社長が意識すべきは、時代に先んじる「読み」と「決断」―Ⅲ

事業遂行に必要な「経費」と呼ばれる部分は、決算書上、損益計算書(PL)に「販売費及び一般管理費」として、数十項目に分けて表示されています。

この経費には、事業活動上どうしてもリアルタイムで使わなければ済まないものと、今それをやめても事業活動上すぐに支障をきたすわけではないものの2種類があると私は考えています。

 

前者の経費としては、「旅費交通費」や「事務用消耗品費」といったものをあげることができます。

後者の代表が、「広告宣伝費」であり「接待交際費」なのではないでしょうか。

 

「広告宣伝費」に限らず、販売促進に関する様々な費用は、事業活動を行なう上で、今その場で必要とされる、といった類(たぐい)のものではありません。

つまり、これらの項目は「販売費及び一般管理費」として、ほかの今すぐ必要とされるような「経費」と一緒に表示されていますが、内容はまるで異なる、ということになります。

 

それではこういった費用については、いったいどう考えればいいのでしょうか。

その内容に見合った考え方があるのでしょうか。

 

私はこれらの「経費」を「先行投資型経費」と呼びたいと思います。

またそう呼ぶことで、経営判断上、「交通費」や「消耗品費」といった他の「即時消費型経費」と明確に分けて考えていただきたいのです。

 

両者の性格の違いは「先行投資」という言葉と「即時消費」という言葉によく表れています。

「投資」と「消費」では、まるでその目的が異なることは、ご理解いただけると思います。

 

ここで、冒頭のお話に戻りますが、企業業績が思わしくないときに、経営者がまず考えるのが「経費削減」ではないでしょうか。

「売上」を伸ばしたり「原価」を下げるというのは、顧客や仕入れ先といった相手のあることなので、そう簡単には実施できません。

 

しかし、「経費」を削るという施策は、自社内に向かってのことですから、自らの判断で行なうことができます。

つまり、「売上」アップを目指したり「原価」に手をつけるよりもやりやすいことになります。

 

おそらくその際に、真っ先にやり玉にあがるのが「広告宣伝費」や「接待交際費」といった、「先行投資型経費」なのではないかと思います。

何故ならそれは先述のように、今日やめたからといって明日からすぐ困るものではないからです。

 

決算書には様々な経費が・・・・

つづく