コンシェルジュに見るプロの仕事の共通項Ⅲ

さて、カメラが彼女の仕事ぶりを追いかけると、

「なるほどな。一流のコンシェルジュと言われる訳だ。」

と、納得のいくシーンに度々出会う。

想定外の依頼にこたえきる彼女の力量がすごいのだ。

 

例えば、頼まれたチケットが満席だったとき、それに代わる案を彼女は考える。

そしてその代替案で、はじめに予定していたプランよりもより高い満足度を顧客に提供するのである。

 

それは、顧客の要望の本質を考え抜いて、その要望を満たすのによりいい案はないか、より優れた提案はできないか、と常に考えるからである。

これは顧客の要望を表面的に捉えただけでは、とてもその期待するところに応えきれるものではない。

 

この仕事を見ていて、大変だなあ、と思うのは必ず想定外のことが起こってくる、ということである。

それも、想定外の事態が幾つも錯綜してやってくる場合もある。

「パスポートを落としたらしいけど、どこで落としたかよくわからない上に、帰国の飛行機の時間が迫っている。」

などという事態も起こるのだ。

 

こんな時も彼女は、慌てず騒がず的確な打ち手を、一つではなく幾つも打っていく。

そうやって、ギリギリのところでなんとか、問題解決まで持っていくのである。

その手腕は感嘆するほかない。

 

 

 

つづく