コンシェルジュに見るプロの仕事の共通項Ⅳ(おしまい)

彼女の力量は、自分の仕事を片付けるという場面でばかり発揮される訳ではない。

部下への指導も徹底した姿勢があった。

 

年末の1年で一番忙しいとき、彼女をリーダーとするコンシェルジュチームは、どんどん仕事をこなしていかなければならない。

その中で彼女は、通り一辺倒のサービスしか提供しない男性の部下がどうしても気にかかる。

 

彼の顧客に対する幾つかの無難な対応を見ていて彼女は「守りの仕事」と断罪する。

「守りに入ってはダメだ、もっと前のめりに!」

と、彼女は部下に語りかけるのである。

 

彼女が求めるのは「攻めのもてなし」である。

「やるべきこと」だけではなく、「やった方がいいことは全部やる。」彼女の流儀なのだ。

そうして攻めの姿勢で仕事に向き合ってこそプロの仕事と彼女は考える。

 

この「攻め」こそがプロの仕事だよなあ、と、私も考える。

普通の仕事は、とりあえず70点くらいの合格点ギリギリの線を押さえておけば一応の評価はもらえる。

 

しかし、顧客の期待以上の満足に近づくには、かなり踏み込んだサービスに徹しなければならない。

これは相当に高いハードルでもある。

 

残念ながら私もとてもその域には達していない。

「攻めの仕事」・・この言葉の意味が分からないわけではない。

ひとつ頑張ってみるか。

 

 

 

おしまい