「坂」の風情についてⅡ
また、そんな路地を歩いていると、東京では実に沢山の「坂」に出会う。
東京は「坂」の多い都市でもあるのだ。
文学作品や歌の歌詞などにも、「坂」はいろんな場面で登場する。
渋谷の「道玄坂」などは、我々が馴染んだ青春の頃の様々な歌詞にも随分使われていたなあ、と思い出す。
私が今回書こうとしている坂は、散歩で出会う小さな坂のことである。
それは、道玄坂のようなあんな大きな坂ではなくて、小さな路地の先にある小さな坂なのだ。
さて、いつ頃からこういう目印が設置されるようになったのか知らないが、大抵の坂には名前がついていて、坂のてっぺんか一番下に、その名前を記した木製の柱が立っている。
四角い柱の表側には「○○坂」と名前が記されていて、裏に回るとその由来が3,4行の文章で書いてあるのだ。
この説明文を読んでいると、その坂にはそれなりの歴史や背景があることがわかる。
このちょっとした坂めぐりは、「趣味」の領域に入れてもいいくらいだなあ、と思う。
つづく