フェザーの量が多かった!?!―ダウンウエアの思ひ出―Ⅵ

初めてのダウンウエアは、新宿新大久保で購入した純国産「石井スポーツ」のダウンベストであった。

若干チープな感じは否めなかったものの、実際チープ(アメリカ製の3分の1くらい)だったので、そこは我慢して愛用したのである。

 

生まれて初めてダウンウエアを使ってみて、その軽量さと保温力の確かさには舌を巻いた。

今と違って、冬になっても寒さを防ぐためのロクな衣類を持っていなかった学生時代、この暖かさと気軽さはなにものにも代えがたい日常着となったのである。

 

冬場、ましな暖房一つない友人のアパートで、友達同士で雑魚寝するとき、炬燵に足を突っ込んで上半身にこれをかけていれば、風邪をひくこともなく充分暖かだった。

まあ、昔、受験勉強のとき綿入れの半纏を使っていたときと同じような使い方をしていたことになるが・・・

 

ただ、あとになってダウンウエアについて多少詳しくなってから分かったことがあった。

それは、結構厚みがあって暖かいと思っていたその要因は、中に詰めてあったダウンの割合が少なくてフェザーが多かったからである。

 

暖かさは十分だったが、ダウンの量が少なく、よりかさが増すフェザーの量が多かったために、モコモコ感が増していたということが判明したのである。

上質なものは、だいたいダウンの量が90%以上、しかもそのダウンの品質によって価格に随分と差があるのだ。

 

とはいえ、それが不満というわけでもなく、私にとって初めてのダウンウエアであったあのリーズナブルなダウンベストには十分満足していたのだ。

あれだけ愛用したそのダウンベストもいつの間にか見なくなってしまった。

 

たぶん、どこかの時点で手放したのだろうが、それがいつのことだったかはっきりとは覚えていない。

その後、ダウンパーカーやダウンコートなど、ダウンを使用した他のウエアも何枚か購入してきたが、ダウンベストほど頻繁に使用することはなかった。

 

というわけで、ダウンベストだけは、あれからも何着か購入して普段使いしている。

極寒の中でもなければ、街着としてはダウンベストで十分である。

 

これがまさにダウンベストのレイヤードルックの見本みたいな出で立ち。ベージュ系でまとめています。

つづく