ハッタリとリアル(実力)の狭間で―「情報発信」によるキャリアの作り方―Ⅰ
私は30数年前、東京の渋谷区神宮前で友人と会社を起業し、しばらく経営していた経験があります。
その会社を10年ちょっと経営した後、故郷である鹿児島に帰り、こうやって、税理士として地方の中小企業のサポートを生業(なりわい)にしています。(これは現在も続いています。)
さて、ここまで税理士として20年以上、地方において事務所経営を続けてきました。
数年前、再び思い立って東京でコンサルティング会社を立ち上げ、そちらも経営しながら今に至っています。
30年前に起業したのは、マーケティングリサーチを生業(なりわい)とする企業でした。
その会社では、マーケティングに関するかなりの案件をこなした経験を持っています。
さてその時は、若造が数人で立ち上げた会社でしたので、当たり前の話ですが、誰も我々の存在を知る由もありませんでした。
マーケティングに関するノウハウにはそこそこ自信を持っていましたが、それをどうやって世間に知らしめるかは大きな課題でした。
当時はインターネットもメールも、現在当たり前の世界になっているデジタル系に関する媒体は世の中に何も存在していない時代でした。
そんな環境下だったので、我々はとにかく愚直にDM(ダイレクトメール)を出し続けました。
ご存知のようにDMのヒット確率は極めて低く、数百社出してようやく1社反応があるかないかという状況でした。
とはいえ、それしか方法がなかったので、同じことを繰り返していたのです。
そんな中、ようやくアポの取れた企業に訪問するときは必死でした。
マーケティングリサーチというのはかなり守備範囲が広いので、先方からどんな案件が打診されるかわかりません。
そんなとき、私たちは提示される大抵の案件に対して、それができるかできないか判断する前に
「できます。やります。任せてください。」
と、返事していました。
もちろん、ただそう言っているだけでは説得力がありませんから、
「その分野に関しては、トップレベルのノウハウを持っています。」
とか
「それでしたら僕らの右に出る者はいませんね。」
とか
「その案件をこなせるのは日本でも僕らだけじゃないですか。」
などと、とんでもないハッタリをかませていたのです。
花の東京で頑張ってました。当時、六本木ヒルズはありませんでしたが・・・・
つづく