インプット→アウトプット(情報発信)→実践―ドラッカーの学習を通じて学んだこと―Ⅲ
「情報」を「知識」と同列に置いていないドラッカー。
「情報」はインプットした時点ではまだ素材であり、我がものにするためには、単調な練習や反復といった行為を繰り返す必要があるといっています。
ただ、いい大人になってから反復練習によって記憶に定着させるというやり方はちょっとしんどいな、と思う私は他に何かいい方法はないかと考えました。
そこで経験的にはじき出したのが、取得した「情報」を一度頭の中で咀嚼して、再び発信する、即ちアウトプットするというやり方です。
一方、ドラッカー学会理事の佐藤 等氏は、その肩書通りドラッカーに心酔しておられるので、そのアプローチの仕方はまっすぐでまじめです。
佐藤氏はドラッカーについて、さらに次のように述べておられます。
―ちなみに私はこの言葉を諳(そら)んじることができます。
憶(おぼえ)てない言葉は実践で使えないからです。
マネジメントにおいて言葉は重要な道具なのです。
しかし情報の取得だけでは不十分です。
万巻(ばんかん)の書を読んでも自分に変化がなければせっかくの努力も無駄になります。―
ここにおけるキーワードは「実践」ということになります。
なにごとも「実践」まで繋がらなければ意味がありません。
私がこれまで度々書いてきましたように、インプットまでは皆さん何とか頑張るのですが、そこで終わってしまう経営者が実に多いのです。
次の段階の「情報発信(アウトプット)」まで実践する経営者は、まだかなり少数派と言っていいでしょう。
もちろん「実践」が伴なわなければ意味がない、ということはみんなわかっていますので、そこで終わっていいとは誰も思わないでしょう。
にもかかわらず、「実践」まで行く経営者が少ないのは、インプット時点での深い理解がまだ乏しいからなのかも知れません。
ここの理解を深める絶好の手段が、「情報発信(アウトプット)」である、と私は考えています。
ドラッカーの提唱するインプット→反復習得による記憶→実践、というパターンを、インプット→アウトプット(情報発信)→実践、というやり方で一部代替してはどうか、というのが私の提案なのです。
いろいろな本を読みますが・・・
つづく