want to「自ら進んでやりたい」状態を目指す―改めてPDCAについて考える―Ⅷ(おしまい)

人間は本来「思いついて、実行する」動物である、というのが、脳科学の領域における見解である以上、思いついて=P、実行する=Dはともかくとして、評価=Cや改善=Aは、「反省」を伴うあとづけのものであり、テンションを下げる行為、ということになります。

人間がテンションを下げることなく、前向きなパフォーマンスを発揮し続けるにはどう考え、どのように行動したらいいのでしょうか。

 

最後にビジネスプロコーチの久野 和禎氏は、PDCAについて、以下のように述べられています。

―(人間の)本来の性質にあったものではなく、無理に行なうので、PDCAを回そうとすると「~しなければならない」モードで仕事をすることになります。

私たちはこの「~しなければならない」を、have toと呼んでいます。

これに対して「自ら進んでやりたい」状態をwant toと呼びます。

実は、人間はhave toだと脳がうまく働かず、高いパフォーマンスを生み出せないようにできています。

そのため、成果を上げるためにhave toをなくし、できるだけwant toで仕事をすることを目指します。

PDCAは、その性質上have to で仕事をすることを求めるものなので、クリエイティビティやイノベーションからはどんどん離れてしまうのです。―

 

なるほど、考えてみればPDCAは、ここに書かれているようにhave to「~しなければならない」を、本筋としていることになりますね。

そのため、久野氏の言われるように、期待していたほど人員のパフォーマンスが上がらなかった、ということになったのでしょう。

 

これに対して、want to「自ら進んでやりたい」状態というのは、人間本来の姿にかなっています。

おそらくこの状態を作り出さなければ、組織が大胆なイノベーションを起こす、という段階にまでは至らないのではないでしょうか。

 

ビジネスプロコーチである久野 和禎氏は、その方法論まで開発し、発表しておられます。

今回は、PDCAの限界、というところまでで留めておきますが、今後、これに代わるさらに有効なビジネス手法というものを追及していきたいと思っています。

 

 

おしまい