発信しなければ「いいもの」を持っていたとしても伝わらない―職人技、もったいない情報発信不足による機会損失―Ⅲ

世界的なレベルで見ても、かなり高度と思われる日本の職人さんが持つ伝統的な技の数々。

しかし、あくまでも裏方として、ことさら外に向かってアピールしよう、などという気はなかったため、それを知る人は意外に少ないのです。

 

一方、欧米ではそういった高度なベースがあれば、それにさらに高いイメージを付加して、ブランド化することに長けていたと思います。

そういったセールスプロモーション戦略に優れていたのが、欧米人ではなかったか、というのが私の感想です。

 

翻って日本ではどうでしょう。

おそらく、ヨーロッパに負けないほどの職人技が国内に存在するにもかかわらず、プロモーションを巧みに駆使し、ブランド化に成功している企業は極めて少ないのではないでしょうか。

ヨーロッパのように巨大企業に収斂されていくかどうかは別にして、日本的な成功事例があってもいいのではないかと思います。

 

何か日本的ないい方法というものはないのでしょうか。

私は、それを実現する最も身近で現実的な手法が、「情報発信(アウトプット)」ではないかと思っています。

私が「情報発信(アウトプット)」を押す理由は、おそらく職人さんの世界には「広告宣伝」は馴染まないだろうと思うからです。

 

「広告宣伝」のように、直接的に売り込むのではなく、その技や伝統、こだわり、思いといったことを「情報発信(アウトプット)」という形で伝えていくのです。

おそらくその方が、彼らとの相性的にも馴染むのでないでしょうか。

 

ただ、先述したように、そういったことが苦手なのが職人さんの世界ですので、「情報発信(アウトプット)」については、誰か「代行」してあげる必要はあります。

日本の中に、なにかしらそういったシステムが出来上がることを望みたいと思います。

 

さて、翻って「我が社」についてです。これまで書いてきた「職人さんの世界」と同じことが言えるのではないでしょうか。

これまで「我が社」のこだわりや思い、歴史や伝統といったものをちゃんと伝えてきたでしょうか。

 

ひょっとしたら、職人さんと同じような状況に陥っているかも知れません。

こちらから発信しなければ、例え「いいもの」を持っていたとしても、それは伝わらないのです。

 

                 これはブランド化した国産ウイスキー

 

つづく

 

今日の川柳コーナー

◆スリスリは 密すぎるよと 孫が言い

お孫ちゃんとほっぺスリスリが楽しみだったのになあ・・・・