『こだわりのストーリー』をアピールしては?―そうか!打開策としてのストーリーの発見―Ⅲ

私が、同じ税理士仲間から受けた、彼のお客さんに関する経営相談は

「多店舗展開に踏み切ったら、肝心の本店の方の売上が落ちてきたのでどうしたらいいだろう。」

という内容でした。

 

パン屋を経営している、というその客さんについてヒアリングしている中で、私が「ん?」と反応したのは、その社長の「こだわり」の部分でした。

パンへの「こだわり」が、そのお客さんの場合「フランス料理」だったからです。

 

私はその点を、外に向かって訴求しているのかどうかを、この話を紹介された税理士先生に聞いてみました。

そうすると、彼にとってこれは少し予想外の質問だったらしく、

「いや、そういったことを特にしている様子はありません。」

との返事だったのです。

 

私は続けて

「ところでそのパン屋さん、HP(ホームページ)はお持ちなのですか?」

と、聞いてみました。

すると、まだ持っていないが、現在検討中とのことでした。

 

そこで私は

「私から見ていますとそのオーナーはすごく興味深く面白いストーリーをお持ちなんですよ。

しかもそのストーリーが、実はパンを作る際にも活かされています。

つまりそのパンは、彼独自の『こだわりの商品』ということになります。

その、せっかくの『こだわりのストーリー』をアピールしないのはもったいないと思います。

HPの制作を急いで、そういった点をもっとアピールされたらどうですか?」

と、提案したのです。

 

これは、かなり想定外の答えのようでした。

私の子の意見を聞いて

「ストーリーですか・・・なるほど」

と、このお話を持ってこられた税理士先生はしきりに頷いておられました。

 

先述のように、パン屋さんとかケーキ屋さんとかには「こだわり」を持っている人は多くいます。

近頃では、メディアなどに出演して、それをアピールしているカリスマパティシエのような人も出てきています。

 

しかし、そんな人はごく一部であり、いかんせんまだ少数派です。

おそらく、こだわりはあるけれど、そんなものがアピールポイントになる、などとは考えてもいないパン職人やパティシエがほとんどなのではないでしょうか。

 

            エスカルゴも代表的なフランス料理の一つ

つづく

 

今日の川柳コーナー

◆独居にも 慣れた頃には お迎えか?

◆逆単身 いつか来る日の 練習中

ゴールデンウイーク中も独り暮らしでございますので・・・