「併流」が可能な「情報発信戦略コンサルティング」―変わらないかプラスで終わるのが「情報発信(アウトプット)」でマイナスはない―Ⅲ
新たな学習を伴うのが通常行なわれるコンサルティングだとすれば、新規に学ぶ必要が特にないのが情報発信戦略に関するコンサルティングということになります。
それは、もともと社長の中に眠っていたもの、或いは埋もれていたものを呼び起こす、或いは掘り起こすという作業ですから、新たに学習する必要性はないのです。
私は会計事務所を経営する税理士というポジションの一方で、経営者向けに「情報発信戦略コンサルティング」を仕事にしていますが、このコンサルティングのもう一つの大きな特徴は、併用が可能である、ということです。
というのは、組織対応型コンサルティングの場合、一つの手法を取り入れたならば、他の手法と併用して進めることはほぼ不可能になります。
例えば、強いリーダーシップによる牽引型組織作りコンサルティングと現場重視によるモチベーションアップ型コンサルティングとでは、いい会社を作る、という目的は同じでも、やり方がまるで違うために、同時並行で進めることは不可能です。
また、併用しようなどとは誰も思わないでしょう。
こういったコンサルティングを採用した場合、自分の会社に合わなかったときには、しっくりくるタイプのものに出会うまで試行錯誤が続くことになります。
逆にぴったり合ったときは、大きな力を発揮するのも組織対応型コンサルティングの特長でもあります。
これに対して「情報発信戦略コンサルティング」は、先述のようにほかのコンサルティングとの併用が可能です。
組織対応型コンサルティングが、いわゆるコンサルティングの本流、主流だとすれば、「情報発信コンサルティング」は、ややそういったものとは趣(おもむき)を異にしています。
かといって、傍流とか支流とかいう位置づけでもありません。
その重要度は、組織対応型コンサルティングと同等であるといえましょう。
私はこれを、そんな言葉はないのですが「併流」と呼びたいと思います。
つまり、どんな重要な課題に取り掛かっていても「情報発信(アウトプット)」は、それと同時に行ない続けるべきものだからです。
「情報発信(アウトプット)」はほかのいかなる課題も超越して、社長が取り組み続けなければならない最重要課題の一つなのです。
つづく